私には昔からの付き合いのAとBがいる。
Aは裕福な家の子で、のんびりとお父さんの興した会社で朝9時から夕方5時きっかりまでの事務(ほぼやることがないらしい)をやっているし、行動もなんかのんびりした感じ。
Bは家庭のことで色々苦労している為か、とにかく不動産営業の仕事に打ち込んでいて、テキパキしている。
私は中間。
引用元:その神経がわからん!その62
Bも若い人にしては高給取りだったけど、Twitterなど見ていると中々大変そうだなあと思った。時々「上司に怒鳴り散らされる。高橋まつりさんの気持ちが痛いほどわかる」と呟いていた。
ある時Bは無理が祟って体調を崩した。過度の緊張、ストレスで自律神経がやられたらしい。幸い割とすぐ立ち直れたこと、人事から「まあせっかくだし休めるだけ休んじゃおうぜ!」と言われて、休みを満喫していたことが救い。
決してブラックではなく、1人の上司だけが無茶苦茶やらかしてたらしい。
休みを与えられたBは、それまで仕事で行けなかった場所に行く、ドライブする、料理をしてみる…
側から見て、人生の夏休みみたいになっていた。
4ヶ月くらい休んでたかな。
Bの休職から2ヶ月後、AB私の3人で飲み会をやった。
「最近やりたいことは何か」という話題になって、Aは「家族みんなで海外旅行に行きたいからお父さんにねだってる」、Bは「この間Aが美味しかったと言っていたカフェに行きたい。ケーキ美味しそう」と話した。
するとAがポツンと、
「ごめんね。Bが体調崩さないと出来ないこと、私が仕事しながら普通にのんびりやれてて。Bばっかり苦労して、大変だよね」
Bが( ゚д゚)みたいな顔になって「おお…え、気にしなくても…」としか返せてなかった。
私は慌てて話題を切り替えて、その話は無くなった。
後日Aに、「なんであんなこと言ったの?Bへの嫌味かと思ってびっくりしたよ」と言うと、
「だって、Bのやりたいことが凄くささやかで…ああこの子、体壊さないと、休まないとカフェすら行けないんだなって思った。それと同時に、海外旅行に行くためにお父さんにお願いできる私って幸せで、苦労知らずで、Bにすまなかった」
と、マジで申し訳ないと思って言ったんだそうだ。
更に後でBに聞いたところ、「高橋まつりさんの気持ちがわかる(死にたくなる気持ちもわかるほど辛いということ)」と呟いた時、Aから財産分与などの遺書の書き方の本、自殺した人の遺書をまとめた本が贈られ、「法的な遺書の書き方なら、お父さんの知り合いの弁護士も紹介する」と言う旨の手紙まで添えられていたそうだ。
あまりのことでびっくりしていたが、
「あれはAなりに考えたんだよ。私ももう少し考えて書き込むべきだったし、黙って受け取っといたw使わなくて済んだよーって言ったらAも喜んでた。マジで悪意はないから、もう仕方ないかな」
と諦めムードだった。
漫画化したらかなりホラーな感じになりそう
世にも奇妙な物語のシナリオとしてもいける
A役は松本まりかで
確かにそうですね
言葉は悪いけど率直に書かせて下さい
吐き気を催す邪悪と言う言い方がある
この場合、このAの善意、その親切心らしきもの、それは、この話を読んだ私の率直な感想では『吐き気が止まらぬ純真』